Timendi causa est nescire.

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「ティメンディー・カウサ・エスト・ネスキーレ」と読みます。
timendīは「恐れる」を意味する第2変化動詞timeō,-ēre の動名詞timendum の属格です。causaにかかります。
causaは第1変化名詞 causa,-ae f.(原因、理由)の単数・主格です。
timendī causaで「恐れることの(timendī)原因(causa)」となります。「恐れること」は「恐怖」と言い換えることが可能です。
estは不規則動詞sum,esse(である)の直説法・現在、3人称単数です。
nescīreは「知らない」を意味する第4変化動詞nesciō,-īreの不定法・能動態・現在です。
「知らないこと」(nescīre)は、名詞で言い換えれば ignōrantia,-ae f.(無知)になるでしょう。
nescīreを主語とみなすと、「知らないこと(無知)は恐れることの原因である」と訳せます。
causaを主語と見なすと、「恐れることの理由は知らないこと(無知)である」と訳せます。
ラテン語は語順が自由なので、どちらも正解です。
ただし、「無知は恐怖の原因である」と訳すのが一般的だと思います。
セネカの言葉とされます(ただし出典は不明)。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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